《MUMEI》 ☆”「今夜さ、 なんとか座流星群が来んだよ」 家に向かって自転車をこぎながら、 唐突に梶野が切り出した。 「…なにそれ」 「何年かに一度! なんとか座の流れ星がすっげえ降るんだって!!」 「…へえ〜」 「てめ、カンドーが薄いって!!」 「だって、流れ星って、 見たこと無いもん」 ―キイィっ ブレーキをかけて、梶野はいきなり自転車を止めた。 「…どしたの??」 「今夜!! 夜12時校門前集合な!!」 「…は??」 「いや、お前一応女だし… ―やっぱおれが迎え行くわ」 「??…なにゆって」 「―だから!! 今夜見よーぜ!流れ星!!」 ―ほんと、トートツ… …でもまあ、ちょっと面白そうだし… たまには― 「…いーよ! その代わり、遅れないで迎えに来てよ??」 「とーぜん♪ じゃあ11時にお前ん家行くわ!! ―じゃーな!」 「あとでねー!!」 今夜は、 生まれて初めての 綺麗な流れ星を見よう。 前へ |次へ |
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