《MUMEI》
怖くなんか、無いさ!!
校舎裏に、
ひっそりと佇んだ小さなドア。


梶野が持っていた鍵を差し込んで回すと―…


ガチャリ、


と音を立てて
鍵が開いた。


「…こんなとこあったんだね…」


感心して言うと、


「このドア、もう使われてねんだ。
鍵は先生から騙し取った」


と、ドアを開きながら梶野が答えた。


「どうやって取ったの??」

「それはナイショー♪」


―なんか、むかつく!


「じゃ、どうぞ。
お嬢様☆」


梶野がふざけて、
あたしをエスコートした。

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