貴方の中の小悪魔
を知る神秘の占い《MUMEI》ぅえ!?
「え…?あーと…。」
幸司は完全に絶句した。
梢は刀をひとふりして、鞘に収めた。
「どうした?」
幸司が持つ傘から出ている梢は、びしょ濡れで立っている。
と、ちらほら家に灯りが点いてきた。梢の顔がはっきりと見える。
「む!?なんだこの灯りは!!盗賊か!?」
どの瞬間でも確実に刀を抜けるだろう姿勢で梢はあちこちを見回している。
そんな必死な梢を見てると、なんだかおかしくなった。
「全部家だよ。そんなに張り詰めなくても大丈夫。」
幸司が梢の肩に手を置いた瞬間、梢が刀を抜いた。
チャキッ…と鍔の揺れる音が幸司の耳元に聞こえる。
幸司の喉元に剣先をそえた梢の目は月の光を受けて紅く見えた。
「ひ…、」
再び幸司は言葉を失う。
「ここはどこだ?お前は一体何者なのだ!?」
梢の目は怯えているようだった。
「こ、答えるから刀を離して…!」
幸司の声が恐怖で震える。
梢は慣れた手付きで刀を収めた。
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