《MUMEI》 部屋に入ってベッドに寝転がる。 左手首に まだ、梶野の掌の感覚が残ってる。 ―ほんとは、 梶野に手をひかれている間中、 あたしの心臓は すごい速さで鳴っていた。 男の子に手をひかれるなんて初めての出来事で、 変に緊張してしまった。 「あー!もう寝よ!!」 なんだか恥ずかしくなってきてしまったので、 もう寝ようと電気の紐に手を伸ばしたとき。 「…メール…?」 ふと目に入ったケ−タイのランプが、 点滅しているのに気がついた。 開いてみると、 それはあたしが出かけた直後に来たメールだった。 前へ |次へ |
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