《MUMEI》
こい
東郷君は、
私服姿もすごくカッコよくて、
並んで歩くと


『ねぇ、ちょっとあの人カッコよくない!?』

『背ー高っ!!…まさか、
隣のふッつーの人彼女じゃないよね??』

『え〜??似合わな過ぎでしょ(笑)』


あちこちから、
ひそひそ声が聞こえてくる。

当然のことだってわかってるけど、
こうも露骨に言われると結構キツイ…


「―…相原さん??」

「はいッ!?」

「どうしたの?具合悪い??」


心配そうな東郷君の顔。

―ダメダメ!!
今日は楽しもうって決めてたんだから!!


「ううん!全然元気♪
ちょっと考え事しちゃって…」

「そう?ならよかった」


にっこり笑う東郷君。


「あ!映画何観る!?
相原さん、観たいのある??」

「えっと…
あたしが決めてもいいの??」

「もちろん!
―誘ったの、俺だし」

「…じゃあ―…」



…今日は、楽しい1日にするんだ!!

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