《MUMEI》
「…昼までは普通に、元気に話てたんだよ、なんか口数が減ってきたなって思ってたら…突然物凄い痙攣おこしてして…、
痙攣がやっと治まったと思ったら…
意識がなくなったんだよ…」
変わり果てた直哉の姿に…声が…出ない…。
水色のジェルの様なマットが敷かれたベッドに裸で…横たわっている。
頭には白い布が巻かれ、そこからコードが伸びていて…、
そしてベッドの脇に
モニターがあり、そこには数字が表示され、世話しなく数字が変わり続けている。
視たこともない様な、でっかい注射器みたいな点滴が何種類も繋がっている……
――口にホースをくわえている。
そして…目尻に涙が…浮かんでいる…。
俺は壊れモノに触れるかの様に…、直哉の涙を指でそっと拭いだす。
「その点滴、強い痙攣止めなんだって…、
強すぎて自発呼吸も止めてるから…、口から酸素を入れているんだ…」
「あったかいよ?なお…こんなにあったかいのに…自分で…自分で呼吸してないの?」
直哉に触れたら…なんとなく
…漸く現実感が
でてきた。
俺は立っていられなくて、床にしゃがみ込んだ。
「どうして!なお!!ヤだよ、やだって、
どうして……」
全身が…痛くなってきた…
涙が…溢れてきた。
胸が苦しくて…、
呼吸が苦しくて…
「何でだよー!なおの馬鹿ー!!おまえ何やってんだよ―――!!」
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