《MUMEI》 寝。―梶野、いるかな?? …怒ってるかも… 学校に着いた時にはもう、 11:00をまわってしまっていた。 急いで自転車こいできたから、 汗びっしょり… おそるおそる教室のドアを開く。 「…かじのー…」 返事がない。 「梶……の…」 ―教室の一番奥の机。 あたしたちがいつも使っているその机に、 梶野が突っ伏していた。 そっと近づいてみると… 「…寝てる…??」 すやすやと、小さく寝息を立てて、 梶野は眠っていた。 きっと、待ちくたびれたんだ… 音を立てないようにしながら、 梶野の向かいに座る。 「…ごめんね…」 ―…まつげ、長いな… 梶野の、 普段の10倍は可愛い寝顔に謝ると、 「―…きょんしー…??」 意味のわからない寝言が返ってきた。 ―何の夢見てんの!? 前へ |次へ |
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