《MUMEI》 軽い口調で答えるとさらにぷぅ、と頬をふくらませた。あら図星だったようね。小さく笑いながら椅子の上で膝を抱える男子生徒を眺める。 「・・・・やっぱさぁ」 すると男子生徒はしみじみとため息まじりに呟いた。 「俺って軽いのかな?」 いつもよりちょっと低めの張ってない声は、ぽろりと保健室の床にこぼれた。 落ちる沈黙。初夏の淡い冷房の音と気の早い蝉の声が重なって聞こえる。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |