《MUMEI》

「好きならアタックすればいいじゃない。一回フラれたくらいで諦めてどうするの」

「無ー理ー・・・・俺なんかたぶん、」

「しっかりしなさい。女はね、男が引き止めてくれるのを結構待ってたりするのよ?」

「だっ、て、俺軽いんだもん」

あーあーあー。
本格的に泣いてるわねコレ。ハタチすぎてたらスパンキングしてやりたいところだけど。

「軽さは軽さでいいじゃない。その上で彼女と向き合いなさい。そうやってただ泣いてるんじゃただの逃げだわ」

「泣いて、ねぇよ」

がば、と上げた顔は赤く、目には明らかな涙。プライドをかきたてる作戦は成功のようだ。

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