《MUMEI》

「仲いいっつっても、単にあんたが赤点ばっかりであたしの手を煩わせてるだけでしょ」

課題を採点しながら、事も無げに言う女教師。あまりに的を射ている言葉に、俺は思わずう、とうめく。

「でも、今回の課題俺がんばったんじゃね?」

「うん。っていうか、あんたテスト全然ダメなくせに何か課題はちゃんと出来てるのよね」

また、う、とうめく。
まったく理系の女って微妙に頭が回りすぎる。
放課後ちょっとでも会話する機会がほしくて、考査のたびにわざと滅茶苦茶な答えを書いている俺の真意を、実は知っているんじゃないかと一瞬不安になる。

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