《MUMEI》

「はい、合格ー」

「いよっしゃ!」

正直嬉しくもなんともない。学年末の赤点補習は進級を左右する重要な課題だが、それを知っていて彼女はうんと課題を易しくしている。案外優しいのだ、この女教師は。

「何も学年末に史上最低点数を叩き出さなくてもよかったのにね」

「や、今回むずかしかったよ結構」

さっさとデスクの片付けをはじめた女教師は、小首をかしげる。

「そ?課題とあんまり変わらなかったと思うけど」

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