《MUMEI》

自ら墓穴を掘ってしまいあせりまくる俺は、慌てて付け加えた。

「お、俺さ今回あんま勉強してなかったんだよねー」

「テスト前にめっちゃ質問に来てたじゃない」

あ、そうか。とか思う前に言葉が出ない。彼女にとっては大したことじゃないのはわかっているが、男のプライド的にちょっと傷つく。わかりやすすぎる俺の戦略に、何か恥ずかしくなる。

「まぁ、来年がんばるのね。受験生だし」

「あー・・・・うん」

「国立ねらってるんでしょ?」

「まーそうだなー」

「志望学科理系だっけ?数学がんばらないとキツいよ」

「マジでー。来年もお世話になります」

「あー・・・・








つーか、あたし来年いないからね」







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