《MUMEI》

一瞬の空白、のちに衝撃。顔に冷たいんだか熱いんだかわからない血が上るのを感じた。

来年いない?

違うよな、そういう意味じゃないよな。都合のいい答えがないことはわかっているが、いまひとつ頭がついてこない。あれ、俺こんなにぶかったっけ?



「・・・・え?」

「だから、今年で離任なんだってば。まだ何処行くかは決まってないけどね」



高校入学と同時に出会って、本気で好きになって、教師と生徒の恋愛なんてダセェとは思っていたけど、やっぱり好きで、顔を見るだけで幸せだなんて、そんな下らないことまで思っていたのに。
実は普通に出来る数学もわからないふりをして、だけど理系を志望したのも、全部少しでもこの女教師のそばにいたいと思っていたからだったのに。

卒業したら告白したいなとか、思って、たのに。




.

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫