《MUMEI》
屋上
屋上は鍵がかかっていて空かなかったはずだが どうして自分がここにいるかなんていうのは もうどうでもよかった。
 
 
 
私の隣には昨日私の部屋にいた『オオカミ』がいる。 
 
「死ぬことを決意したんだね。」
 
 
「えぇ…」
 
 
オオカミは私が死ぬのを望んでいる
 
 
「あなたに食べられるのは 嫌だけど 私は生きていても 希望がないから… 大好きなお母さん 親友だった加奈子 大好きだった石崎先生… これを取ったら私は どうすればいいかわからないの」
 
 
オオカミは私の話を無言で聞いていた。
 
 
「神様って意地悪だよね。私から大好きなものをどんどん取っていっちゃうんだもん…」

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