《MUMEI》
伊藤視点
人の楽屋に入ってくるなり、コイツはいきなり言い出した。

「今日はゆう君の撮りないからってさー、駄目だよ?女優ナンパしちゃ」



「はー?ナンパなんかしてねーよ!
ちょっと話てただけだろーが…、
つうか……、ゆうちゃんがいるとかいねーとか別に関係ねーだろうよ、何訳分かんねー事言ってンだか…」




全くコイツは…、

裕斗と洒落たレストランにでも行こうかと思って詳しそうな女にちょっと聴いていただけなのに…


しかも今日のロケ弁は揚げ物ばっかで最悪だしよ…。

ゆうちゃんとは何だか連絡つかねーし……


俺は溜め息をつきながら半分以上残した弁当に蓋をする。


――監督こと相澤は俺と同い年だが、一浪したから大学時代は俺の後輩だった。

俺はコイツの作品には大概頼まれて…なのか使って貰ってなのかは分からんが毎回出ている。

すると相澤は俺の飲みかけの缶コーヒーを取り、いきなり飲みだした。

「あーこら!弁償しろ!」
「フフフッ、ケツの穴の小いせえ男!そんなんじゃゆう君に捨てられるからな〜」


俺はギクリとしながら相澤を見上げる。

相澤は物凄いニヤニヤしながら…そして俺の隣のパイプ椅子に座った。

「あの子に派手なキスマークつけたの秀幸だろ?」

前へ |次へ

作品目次へ
ケータイ小説検索へ
新規作家登録へ
便利サイト検索へ

携帯小説の
(C)無銘文庫