《MUMEI》

「出来ないよ」

「いいから拾え。俺はゾンビだって言っただろ。刺されたぐらいじゃ死なないから。
だから救ってくれ、みんなを」

−−真奈はそれでも銃を拾おうとしなかった。この女は真奈の行動を一瞬たりとも見逃さないようにと食い入るように見ている。完全なこうちゃく状態。だがそれは俺にとってチャンスだった。首筋にナイフをあてられているのだが、俺はそのナイフを素手でおもいっきり掴んだ。そして同時に右ストレートを女の顔面に打ち込んだ。こんな時だから女の顔を殴るなんて最低な奴だとか思わないでくれよ。

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