《MUMEI》

俺は地下に行く直前にも安原を見た。その時にはっきりと俺は聞いた。『石島見なかったか』と友達に話しているのを。こんなにも俺のことを心配してくれていたのに、俺はその時馬鹿な事を考えていたんだ。『安原の近くにいるから死ぬんじゃなくて安原が殺しているんじゃないのか』なんて馬鹿な事を考えていたんだ。馬鹿だ、俺は本当の大馬鹿野郎だ。死ぬと解っているのに側にいてくれようとしてたんだよあいつは。それはすごい事なんだ。俺は逃げていたのに………あいつは…………あいつは。

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