《MUMEI》

だから俺は安原を絶対に死なせない。

俺は避難を始めている生徒を掻き分けて屋上へと向かった。こんなに血が出てるのに。安原は今頃俺の事を馬鹿な奴だと思っているんだろうか。せっかく翼が消えたのにわざわざ危険な所に向かってるんだからな。もしかしたらそんな俺の背中にはもう大きな翼が生えているのかもしれない。そうか………そうかも知れないな。俺は足で屋上に向かっているのじゃないかも知れない。きっとこの大きな翼で羽ばたいて屋上に向かっているんだ。心配するなよ安原、俺が爆弾をなんとかしてやるからな。

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