《MUMEI》 ☆桐島紗由。 うちの高校の2年生だ。 理科の教師をやってる俺は週2の理科の授業で桐島のクラスを受けもっている。 桐島は性格がよくて教師受けのいい生徒だった。 『桐島だったのか。大丈夫だったか?怖かったろ?』 俺が彼女の頭を撫でると、彼女は泣きすぎて真っ赤な目と鼻と口を隠すように下を向いた。 『‥あっ。』 俺は思い出したように声を出す。 『お前、さっき今日はファミレスで過ごすって言ってなかったか?あれ、どういう事だ?』 俺が聞くと、桐島はバツが悪そうに答えた。 「‥‥ぃゃ、、ぁの、今日から3週間、お母さんもお父さんも親戚の家に行ってて居ないんです‥‥‥。だから‥‥‥‥怖くて‥‥夜はファミレスに居ようと思って‥‥‥。」 『‥怖いって何が?‥‥ ぁあ、さっきみたいな事があったばっかだもんな‥そりゃ怖いか‥‥』 俺は納得して頷いた すると、桐島が口を開いた。 「‥そ、それもあるんですけど‥‥‥もう一つ怖いのがあって‥‥‥」 『え?他になんかあんの?』 俺は桐島の言葉に集中した。 前へ |次へ |
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