《MUMEI》
「ハハッ、やっぱばれてんのか…」
「ハハッじゃねーよ、つうかゆう君の態度でバレバレだってばさ、
なんつうか、あれ、あの子露骨に
片時も離れたくない光線飛ばしまくりなんだもん…、
あーあ、ひと目みて気に入って起用したのに、まさかノンケの秀幸が手え出すたあ思わなんだよ…はあ…、何か奢れよなあ…」
相澤はすっと煙草を口にくわえ、俺はライターをつけた。
「ほれ、火ぃ奢ってやるよ」
「くそ…、何で秀幸なんだ…、俺の方が金持ってんのに…」
「悪りいな、俺の方が男前だから許せ…、良かったら揚げ物食うか」
「クソ…、いい男ならともかく…クソ…」
結局はお互いにクスクス笑いながら言いあってるだけ。
相澤だってそこそこのいい男だ。
身長こそは俺より若干低いが、ジムでまじめに鍛えているからスタイルはいい。
相澤は煙草を吹かし終えるとまた一本自分でつけた。
「あれ…わざとだろ」
「やっぱ分かる?
だってよーゆうちゃん自分がもててる自覚ちっともねーんだもん…年増女優達ギラギラした目で狙ってんの分かってねーし、お前のイヤらしい目にも気づいてねーし」
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