《MUMEI》 花火大会前浴衣なんか着ていったら、 気合入れすぎって思われそう… でも、『着て来い』ってゆってたし… 花火大会当日。 浴衣と、普通の服を並べて考え込む。 悩みだしてから、1時間は経っている。 「…どうしよう…」 「―もう!!さっきから見てればあんたは!! 浴衣着てけばいいじゃないの!!!」 横からいきなり口を挟んできたのは… 「…おかーさん」 「日本の女の子はね、 浴衣着たら100倍は可愛く見えるもんなのよ??」 「そ、そう??」 「そうよ!お母さんだって、それでお父さんゲットしたようなもんよ!! ―あの子と行くんでしょ??花火大会。」 「…へ!?」 「だから、いっつもあんた送ってきてくれる可愛い男の子!! 星座を見る会…だったっけ??」 ―意味深な笑みを浮かべるお母さん。 …なんか勘違いしてません!!? 「あのね…梶野とはそんなんじゃなくて…」 「いいの!!全部わかってるから!! ―そう、“梶野君”って言うのね。 恥ずかしがらなくていいの☆ …ほら、早く浴衣貸しなさい!! お母さん可愛く着付けてあげるから」 「…………」 ―…まあ、いっか。 あたしは、 準備していた花柄の赤い浴衣を、 お母さんに手渡した。 前へ |次へ |
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