《MUMEI》
百発百中
「しょーがない。
おにーちゃんが取ってあげよう♪」


いちいち癪に障る!!


「べつにいーですー!!」


舌を出し、屋台を出ようと身体を反転させると、


「うそうそ!待てって」


梶野に手を掴まれ、連れ戻された。


「やるの??一発300円だよ」


屋台のお兄さんが梶野に尋ねる。


「やります♪…1回分!!」


元気良く答えて、
300円をお兄さんに手渡す梶野。


「1回分でいいの??
3回分だと600円だよ?」

「いいです♪おれ、百発百中の腕持ってるんで☆」


―あーあ…
見栄張っちゃって。


「そう??
じゃあ、1回分。彼女さんにいいトコ見せてね♪」


笑ってそう言いながら、
梶野におもちゃの銃を渡すお兄さん。


―『彼女』って…あたしのこと!?


「いえ!!あたし彼女じゃ…」

「はい!!頑張りまっす☆」


―って、否定しないのかい!!

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