《MUMEI》

「あなたの願い、僕が買いましょう。」


いきなり声がした。

ここは病室…。
誰かいるのだろうか…。


「あなたは誰?ここにいるの?」


「僕は扉の中にいます。」


「扉の中…?それより、あたしの願いを買うってどういう意味?」


「あなたは、好きだった彼に会いたいんですよね、僕がその願いを買いましょう。」


「えっ…、彼に会えるの?」


嘘みたい話だった。


「はい、会えますよ。どうぞ声が聞こえる方へ。」

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