《MUMEI》

あたしは、ゆっくり扉を開け、中に入った。


ここが
何処なのか
分からない。


本当に扉の中なのか、
それとも…
病院の廊下なのか。



あたしは、
ゆっくり歩いた。


「あの〜、誰かいませんか?」



「ようこそ、扉の中へ。」


病室にいたときと
同じ声…。


「ここは扉の中なんですか?」


「はい。」



でも
本当に
扉の中なのかな…。


目が
見えればいいのに…。

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