《MUMEI》

僕は、黒いブレスレットを出した。


宙に浮く、黒いブレスレットを手の上に乗せ、彼女の手首につけた。



「えっ?何をつけたの?」


あたしは左手で、触ってみた。

何これ?


「目を開けて下さい。」


「目を開けるって、開けたって見えないのは、分かってるから嫌。」


「大丈夫ですよ。さぁ開けて下さい。」


あたしは、ゆっくり目を開けて見た。


どうせ
見えないと
思いながら…。

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