貴方の中の小悪魔
を知る神秘の占い

《MUMEI》
告白の答え方
まさか自分にこんな日が来るなんて思ってもなかった…。今が一生に一度のモテ期ってヤツかもしれない。 こんな日が来るんだったら数学とか英語とかのつまらん授業じゃなくて恋愛についてとか告白の答え方とかやりゃ良いのに…。そんな事を考えていたら三時間目の仮眠の時間はとっくに過ぎ去って行ってしまった。あたし岩下花世は崎田雄大に告られてしまった。 黒板から消されていく丸っこい文字をぼーっと見ていたあたしの肩を親友の佐藤那奈が叩いた。 「何そんな顔してんのっ。何か悩みでもお持ちですか?」那奈の整った顔があたしの顔を覗きこんだ。 さっきの一部始終を話そうと席を立った瞬間、「岩下花世居る?」っていう声があたしの耳に入ってきた。ガターン…。やばい。机に隠れようとしたあたしの体がそれまで座っていた椅子に勢いよくぶつかった。 ぶつからなければ見つからなかったものの、ガターンなんて音が教室に響いたからアイツに見つかってしまった。 「崎田!あんたが大きい声出すからあ、あたしびっくりして椅子倒しちゃったんだけどっっ。」 全く意味不明。 それも当たり前である。別に大きな声を出してはいけないという決まりはないのだから。 まるで売れないお笑い芸人のネタを見た直後のようなしらけた空気が覆った。 「ちょっと花世コッチ来て」つかつかとあたしの前に歩みよった崎田は手をつかんであたしを引っ張っていく。 階段を降りて一階の休憩広場にたどり着いた。 「さっきのはオレの本当の気持ちだから。嘘でも無いし罰ゲームでも無いからな。」怖い顔をわざと造ってあたしの目を睨んだ。 「返事…いつまでに!?すれば良いの??あたしだって忙しいんだから期限作って貰わないと忘れちゃうんだけど!!」 崎田の怖い顔に負けないように大声で威嚇をした。 「いつでも良…」 「良くない!!あんたのあたしへの告白を好きなヤツの頭の中から消されるんだよ!?それでも良いの…」 今までより目線を上げると崎田は笑っている。 「それって、告白に結構乗り気って事だよねb」 しまった。あたしは崎田にすごく気があるようなことを当人の前で言ってしまったのだ。 「まぁ、そういう事かもね。」 なんとかはぐらかした気はした。そのとき本当に告白の答え方についてと、自分に告白してきた人と上手く話す方法を授業でやった方が良いんじゃないかと思った。

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