《MUMEI》 新学期今日から2学期。 靴箱を開けると―… 『死ねブス』 と書かれた紙が入っていた。 なにがなんだか分からない。 顔が熱くなる。 何も出来ずに、突っ立っていると… 「おはよう。相原さん」 ―東郷君が、声をかけてきた。 「…どうしたの??」 心配そうに尋ねてくる東郷君。 「え!?なっ、何でもない!!!」 慌てて隠そうとしたけど、間に合わなかった。 「―…なんだ、これ…」 眉をひそめる東郷君。 「だ、大丈夫だから!!ね!? …ほら、早く行かなきゃ始まっちゃう!!」 そう言って東郷君の背中を押す。 「でも…」 「だいじょうぶ!!何でもないから!!―ね!?」 ―早く、行って。 …泣いちゃいそうだから… 「わ、わかった」 東郷君は、そんなあたしの気持ちを察したのか、 心配そうな顔をしながらも、黙って立ち去ってくれた。 ―…なんで… あたし、誰かに嫌われるようなこと… 呆然と立ち尽くすあたしの頭の中には、 なぜか、『スタンド・バイ・ミー』が流れていた。 前へ |次へ |
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