《MUMEI》
恋する気持ち
「相原…」

「もういいよ…
この子達も、東郷君への気持ち、
どうすれば良いのかわかんなかったんだよ…。

あたしは、ただ誤解を解きたかっただけ。

あたしと東郷君は、ホントに何にも無いから。
―…それだけ!!」


そう言って、ストレートの娘を見ると、
その子は、目にいっぱいの涙を溜めて、


こくん、と頷いた。


他の4人も、泣きそうな顔で俯いた。

この娘たちも恋する女の子で、

やり場の無い想いに苛立ってただけなんだ。


梶野が、女の子の拳を掴んでいた掌から
力を抜いた。


「…行こう」


5人組は、バタバタとトイレを後にした。

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