《MUMEI》

喧嘩して、廊下出たところで倒れたんだ。

意識は朦朧としてて、安西っぽい声が確か聞こえていた気がする。
多分、ここまで運んでくれた。

勝手に妬いたり、なんてバカ。俺も神戸が七生に懐いていることが気に入らないけどあんなに視界は狭くならない。
いっぱい悩んで苦しくても決して七生に言ってない。




ピピ ピピ ピピ

体温計が鳴る。平熱だ。
教室に戻らなければ。
学校祭の準備がどんどん進んでいて、放課後は沢山の人達で賑わっていた。

特にクラス対抗のパフォーマンス大会でのダンスは力が入っている。男子も積極的にスカートで仮装したりして楽んでいる。
去年は全員チアガールだったクラスが優勝した。

総合優勝したクラスには駄菓子がプレゼントされる。なんでも得点に換算されて売り上げまで採点される。俺達のクラスは喫茶らしい。ずっと体育館に張り付いてなきゃいけないから手伝えないけど、パフォーマンスは出ることになりそうだ。最後の学校祭は全員でいい出を作ると言うから断り切れず、ステージ上がるときだけ先生と一年に任せなきゃいけない。

ダンスは苦手だけど、なんとか形にしなければ。

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