《MUMEI》

もう職員室にほとんど人は残っておらず、デスクの横で立ち尽くしたままの俺を怪訝そうに振り返った女教師は言う。

「帰らないの?」

「え、あ。うん、帰る帰る」

あわてて鞄をかけなおす、職員室から出ていく女教師の背中を追う。って何で追いかけてるんだ俺。
階段を降りるリズムが同じで、俺の足音と女教師の足音が重なる。

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