《MUMEI》

「俺さぁ。なのちゃんと会ったとき、引っ越してきたばかりだったんだ。」


「そうなの?」


私は砂浜に座る。
隣に雅樹も座る。


「うん。だから早々友達ができて嬉しかったんだよ!」


雅樹はニコニコ笑っていた。
私が

「雅樹くん。どうして私に声をかけたの?」


と聞いたら、雅樹は一瞬びっくりした顔をしてから微笑み、


「雅樹でいいよ。」


と質問に答えてくれなかった。

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