《MUMEI》

「キャーいい!」

「可愛い!写メっていい?」

完璧女子に玩具にされた。ハーフパンツ履いても股下涼しくて気持ち悪い。
そして写メ止めて。

七生なんてノリノリでポーズ決めていて引く。結構な図体なのによく合うスカートのサイズ探してきたな。
嫌がる男の中心でまとめ役として選ばれたんだろうけど目下ケンカ中としては複雑だ。


「何が悲しくて臑毛満載の野郎共のスカート姿披露せねばならんのだ。」

南の舌が冴え渡る。

「南ちゃんノリ悪いぞっ」

「……殺すよ?」

七生にちゃん付けされて更に不機嫌になっている。

「本番は皆、顔弄らせてね」

一部の女子の目が光った。やだやだやだやだ。化粧はやだ。

「おー、やってるな、後ろ姿だけじゃ今だって木下わからなかったぞ。」

……出てきて早々生徒いじめですか先生。

「そうなんですよう、木下君色白で足綺麗でムダ毛少ないから女子皆で嫉妬しちゃってー」

「前の方で踊ってもらうつもりですっ!」

いじめがクラスに広がった……!



「あ、副生徒会長様のお帰りだ。見て見て〜。」

七生が駆け寄る。乙矢はクラスのダンスの通し練習のために仕事から抜けて来た。

「……汚い……」

「ヒデー!」

笑いが起きた。流石だ、乙矢。

「乙矢、あとで聞きたいことが……」

高遠について……。

「うーん、時間ないかも」

頭を撫でられた。そうか、言いたくないか。

「……じゃあいい。」

撫でられて乱れた髪を直した。

「なんか二人並ぶと恋人同士みたーい!」

女子に騒がれた。だから写メるなって!

「お二方熱いねー」

「ギャー!」

通りすぎ様に七生にスカートめくられた。つい叫んでしまう。

七生はちょこまか動いてスカート履いた男全員をめくりきった。




くそぅ……向こうから謝るまで絶対許してやらないからな。

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