《MUMEI》
*。*智希*。*
現実とは本当に恐ろしいもの。

どうして私は、龍也のことを忘れてしまったんだろう……。


どうして私は、事故に遭ってしまったんだろう………。


どうして私は、記憶を失ってしまったのだろう……。



私が、記憶さえ失っていなければ龍也は長い間、傷つかずにいれたのに………ね………。


本当にごめんね……。


龍也…………………。













「愛梨沙〜今日、愛梨沙んちに行ってもいいか????」


龍也は私の顔を覗き込んでそう言った。


「いいけど〜何?」


「教えてほしいことがある!!!!今日の課題の答え!!!!!」


あ〜………。


世界史のだ。


「いいよぉ♪私も丁度、分からないことあるから龍也も教えてね!!」


「おぅ♪」


この笑顔……………。


本当に懐かしい感じが……。


「愛梨沙チャン♪」


そう言っていきなり私に抱きついてきたのは…………


「智希ッ!?」


同じクラスの男友達。


突然の出来事に龍也は目を丸くしている。


「何で花坂とばっかり喋ってるの〜??俺とも仲良くしろ!!」


智希は頬を膨らます。


こんな少し子供っぽいところがちょっと可愛かったりする…。


「花坂〜愛梨沙チャンを独り占めすんなよ!!しかも、愛梨沙チャンはモテるから男子が怖いぜぇ〜♪」


「智希〜〜〜〜〜!?余計なこと言うなぁ〜!!!!!」


「うわぁ〜愛梨沙チャンが怒った〜!!」


私は面白がる智希の頭を叩く。

そんな光景を呆然とみていた龍也……。








この時……………



龍也がすごく切ない瞳で私を見ていたことを知らなかった…。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫