《MUMEI》

「驚いた?」

「驚いたもなにも…、ゴメン…、うん…驚いたよ…」





ファミレスで話を聞くにはめっちゃ濃すぎる内容だった…。

隆志にムリ打ちされた俺の事なんか…、
裕斗の状況からしたらきっと…ちっぽけ過ぎる。

裕斗は黙ってしまい、頬づえをつきながら窓から外を見だした。

長い間、付き合ってきた…恋人を演じ続けてきた親友…。

――そして…



生まれて初めて恋をして…




想いが通じた…恋人…。

「でも…、その人…もちなおして良かったな…」


「うん…」





裕斗ってなんか話易くて、最近人に言えない悩みなんか聞いて貰う仲になっている。




仕事が上手く増えないとか、背が伸びないとか、……苦手な人の話とか。





でも裕斗からキツイ話聞いたのは始めてで。




内容はともかく、俺に話してもらえたのは…、うん、素直に嬉しい。




携帯を見るとちょうど日付が変わったばかり。



裕斗はさすがに疲れた表情をしている。





それでも横顔がスゲー綺麗で、こんなに鼻筋が整っている日本人は見たことがないって見とれてしまう。




ハーフって…、いや裕斗が特別綺麗な子なんだなあと…ちょっと羨ましくなった。

前へ |次へ

作品目次へ
ケータイ小説検索へ
新規作家登録へ
便利サイト検索へ

携帯小説の
(C)無銘文庫