《MUMEI》
*。*二重人格?*。*=龍也=
イライラする……。


何なんだ、あの"智希"って奴。

愛梨沙とめっちゃ仲良かったしよ〜…。


やっぱり、記憶を失った愛梨沙は俺よりもアイツのが存在が大きいのか……????


悔しい………。

アイツよりも近くにいたのは俺なのに………。




愛梨沙…………


俺のこと、思い出してくれよ…。












「花坂、ちょっといいか??」


昼休み、俺を訪ねてきたのは智希ッて奴だった。


「あ〜うん」


そう言って俺はソイツの後について行く。













屋上まで来ると智希ッて奴は笑顔で振り向いた。


「自己紹介まだだったな!!俺は藤宮智希!!」


……なーんてノーテンキにそんなことを言う。


こっちはお前にイライラしてんのに。


「何だよ?藤宮」


「あ〜あのさぁ」


藤宮はイキナリ鋭い目つきで俺を睨んだ。


「お前、邪魔」


……………はっ???


「愛梨沙の周りうろちょろすんなよ」


えっ……!?


確かコイツ……"愛梨沙チャン"て呼んでなかったか?


愛梨沙のこと…………。



「転校生でしかも愛梨沙の隣の席だからって調子にのんじゃねぇよ。ウザイ」


人格が全然ちがう……。


さっきはあんなに笑顔だったのに…。


「何だよ、イキナリ……」


「ちょっと格好いいからって浮かれてんだろ?ふざけんな」


藤宮も格好いいけど…なんて心の中で思いながらも俺も、睨みつける。


「いい度胸してんなぁ〜俺を睨むなんて」


藤宮は不適な笑みを浮かべ、俺をまた睨む。


「お前こそ俺を睨むなんて…度胸あんじゃん」


「愛梨沙に近づくな」


「はぁ?何でだよ」


「ウザイからだよ」


「お前に関係ないだろ」


「偉そうな口たたくんじゃねぇよ!!」


藤宮はそう叫ぶと俺の胸ぐらを掴んだ。


こわっ!!


「何をしても俺は愛梨沙から離れない。例え、今ここで藤宮が俺を脅したり殴ったりしても」


「ふぅ〜ん…本当にお前ウザイわ」


そう言って藤宮は俺を放した。


「今日は止めてやるよ」


そう言うと藤宮は…………。


「また後でなぁ♪」


さっきの笑顔で手を振りながら去っていった。


何なんだ…………?


アイツ…………。


二重人格?

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