《MUMEI》
番外編―同窓会V―
―ガララッ
教室の扉を開けると懐かしい匂いがした様な気がした。

教卓の近くに名簿のメンバーがいて、一斉に振り返って表情を緩ませた。
「湊ー!凌も!久しぶりぃー」
「おう」
俺と凌一は軽く手を挙げて返事をし、みんなの近くへ歩み寄った。
「ちょっと凌一ドア閉めて」
「あっおう」
恵里奈に言われ、凌一は渋々ドアを閉めた。

「何してんの?」
俺はみんなの輪の中に入り、教卓の上の物を見た。
「おぉー!」
後ろで凌一が声を上げた。
俺もそんなリアクションをしたかったが、被ったからやめた。
教卓の上には卒業アルバムがひろがっていた。

恥ずかしがりながらも笑顔を作った個人写真にクラス写真や修学旅行‥あの頃の思い出が鮮明に頭に浮かび上がった。
「懐かしいな」
玉木が声を出した。
あの頃はクールぶっていたガキが、今ではプロバスケットボール選手へと変貌した。正直驚いたが‥。

みんなで思い出に浸っていると、開始時間10分前になり、合図でもあったのか?と疑いたくなるくらい一斉に懐かしい顔が入って来た。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫