《MUMEI》 朝眠れなかったせいで、 頭はぼーっとしてるし、 寝癖は直らないし… ―…もう!! なんでこんなに気になるんだろ!? とりあえず、学校行かなきゃ… まだ少し残る寝癖を抑えつつ、自転車を走らせる。 学校前の公園の近くに差し掛かったとき。 「相原さん!!」 前方からあたしの名前を呼ぶ声。 「…東郷君??」 自転車にブレ-キをかけると、 東郷君が駆け寄ってきた。 「…まだ時間大丈夫だよね。 ちょっと話しあるんだけど…」 ―きた。 聴きたい!! …でも、聴きたくない… 「…うん、いいよ」 やっぱり、聴かなきゃすっきりしないし!! 「じゃあ、公園のベンチいこ」 公園へと歩いていく東郷君。 自転車を降り、それを押しながらあたしは、 次第に大きくなる心臓の音を どうにかして抑えようと、必死だった。 前へ |次へ |
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