《MUMEI》 タイミング学校に着くと、 「幸!!!おはよ♪」 マキが、あたしの肩をポン、 と叩いて挨拶してきた。 「おはよー!」 元気よく挨拶を返すと、 「お!…なんかいいことあった??」 と訊かれたので、 「べつに〜♪」 って答えたら、 「…なんかムカつく〜!!」 と、マキに背中を思いっきり叩かれた。 マキ…華奢な体型なのに、 どんだけ馬鹿力…?? 2人で教室に入ると、 まず、男子グループで騒いでいる 梶野が目に入った。 ―…今日は、やけに早いな… 「…ばっかだね〜!!」 変なプロレスごっこ??をしている男子を見ながら、 マキが呆れたように言う。 「………ね…」 答えながらも、目は梶野を追ってしまう。 「…幸??…ゆーきー!?」 マキの呼びかけにはっとして、 慌てて梶野から視線をはずす。 「…どーしたの?? 幸、今日なんか変!! …寝癖も、ついたままだし…」 心配そうに聞くマキに、 「気にしないで!! …昨日、あんまり眠れなくて…」 と、答えた。 「…そ?? 具合悪くなったら、いつでも言うんだよ?」 そう言って、自分の席に座るマキ。 いい友達持ったな… ホントに、そう思った。 今日は、梶野と話さなきゃ!! そう思って梶野の方を振り返ったそばから、 ばっちり梶野と目が合ってしまった。 反射的に逸らす。 ―…もう、なんか変に意識しすぎ!!! でも…男子と一緒にいられたら、 梶野に声掛けるタイミングが…… 前へ |次へ |
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