《MUMEI》 自習この学校の体育祭は縦割りで、クラスごとに 『赤』A・B・C組チーム、『青』D・E・F組チーム、 『緑』G・H・I組チームの3チームに分かれて勝敗を競う。 ―…体育祭は、運動オンチなあたしの苦手な行事だ。 でも、係になれば、出る種目も少なくてすむ。 ここは、なんかの係に立候補しなきゃ!! ちなみに、陸上部のマキはかなり運動神経が良いので、 いくつもの種目で選抜選手になっている。 委員長と副委員長が黒板に係名を書き連ねていく。 その中に、『装飾・2人』 という文字を見つけた。 ―これにしよう!! 色塗りとかなら、結構得意だし!!(唯一美術だけが5) 「では、やりたい係に手を挙げてくださーい」 委員長が係名を読み上げていく。 あたしと同じような考えの子が次々と係に決まっていく中、 ついにあたしの狙っていた係。 「えーっと、装飾係、2人です」 すかさず、手を挙げる。 「…相原さん、と…梶野君、で決定ですね」 ―…ん!? 黒板にあたしと梶野の名前を記入する副委員長。 一番後ろの席の梶野を振り返ると、 梶野は、にこにこ顔で手を振ってきた。 手はふり返さずに、前に向き直る。 ―…係、決まったはいいけど… 梶野、何考えてんの!? 前へ |次へ |
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