《MUMEI》
*。*夏休みの予定*。*
放課後………。


「早川〜!!!!!!!よくも俺の顔に傷を!!!!!」


「藤宮の顔なんて、どうでもいいよ」


2人は昼休みからずっとこんな感じ…………。


仲良くできないんだろうか…。


「私、帰るね〜龍也行こう」


「あっおぅ」


私と龍也はカバンを肩にかけ、教室を出ようとした。


「愛梨沙チャン!!!待って!!話があるんだよね!!」


「話?」


「そう!!花坂にも!!まだ帰るな」

"え〜"と言いながらも私と龍也は夏子と智希の元へ戻った。


「話って何よ!?藤宮!!!!」


「ちょっと待てって!!和哉が今、来るからね」


―ドキッ


イキナリ私の胸が音をたてた。

「智希〜!!!!!!!遅くなってまぢごめん!!」


「和哉〜遅いから!!」


―ドキドキドキドキドキ


私の鼓動は加速しつづける。


すると夏子が耳元で言った。


「ドキドキしすぎだぞ♪」


え――――――――!?!?


聞こえてるっ!?


今度は顔が赤くなっていく。


「愛梨沙?」


そんな私に龍也は問いかけてきた。


「どうした??」


「えっ…あぁ…何でもないよ!!」

嘘をついた。


何でもないワケがない。


実は私……………


和哉くんが好きなんだ。


理由は…………


優しいし、
笑顔がちょっと無邪気で、
普段はかっこよくて、
すごい明るくて、


あんまり喋ったことないけど、いつのまにか好きになってた。

夏子はもちろん知っている。


「で、何の話!?」


夏子は少しイライラ気味で智希に言った。


「あっあのさ〜もうすぐ夏休みじゃん?で、このメンバーで遊びにいきたいなぁ〜って!!和哉と話してたんだけど〜」


夏子は私の方を見た。


きっと目で"どうする??"って聞いてるんだ。


………はっきり言っちゃえば…行きたいですヨ。


好きな人がいるんですから。


「花坂は〜??暇か?」


「別に予定はないけど」


「愛梨沙チャンは…?」


行きたい!!!!!!


すっごく行きたい!!!!!


でも夏子が行かなかったら嫌だなぁ〜。


すると………


「私は行くよ♪愛梨沙は??」


夏子……!!!!!!


私が迷ってたから先に言ってくれたんだ!


「わっ…私も行く!!!!!!」


私が答えると、智希は笑顔で頷いた。

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