《MUMEI》
*。*切ない表情*。*
荷物の片付けも終わり、私と夏子はホテルのロビーへ向かう。


そこには既に、男子たちが来ていた。


「遅くなってごめん!!」


「あ〜いいよ!!俺たちもさっき来たばっかりだし」


龍也は笑顔で答えてくれた。


「んじゃ行くか〜☆」


智希の声で私たちはロビーを出た。













やっぱり沖縄〜って感じだぁ!!

私たちが住んでるところでは、見られないモノばっかり!


「見て〜シーサーだぁ!!!!!」


夏子は笑いながら指差す。


本当だ!!!!


本物のシーサーだぁ(笑)


一度、見てみたかったんだよねぇ〜!!


本物!!


「コレは記念撮影しなくては!!」


智希はカメラを取り出し、シーサーを撮る。


和哉くんもケータイで写メってる!!!!


夏子は指差しながらまだ笑ってるし!


龍也は……………


えっ…?




私はその時の龍也の表情から目がはなせなかった。






龍也は今までに見たことのない切ない表情だった…………。






龍也………????



どうしてそんな表情なの…??



もしかして沖縄に何かあるの??



来ない方が良かった????















ねぇ龍也………。



龍也がこの時、何故あんなに切ない表情をしていたのか……



それは、



私の記憶喪失が原因だったんだね…………。






これを知るのは……




もう少し後の話…………。

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