《MUMEI》
波乱の一日の幕開け
雀のさえずる声が聞こえる
カーテンの隙間からわずかに朝日が差し込む

時計が七時ちょうどを指す
朝だ…


えっ?どっかで見た始まり方だって?…気のせいだ

カーテンを開け放ち部屋に朝陽をそんぶんに取り入れる

…気持ちいい…

今日は…奈美はいない

よかった…

ドタドタ廊下を走る音の後に部屋のドアが開けられた
「おっはよ〜兄貴」

このかだった…

「…もう少し静かに来い」
「気にしない気にしない、早く降りてきなよ、ご飯出来てるよ」

「着替えてからな」

このかが出ていってから着替える

そして廊下に出る…

「…おにぃ…おはよう…」
雫が現れた…

「おはよう」

勇者は挨拶を返した…

「…おにぃ…抱っこ…」

雫の誘惑…

目がウルウルしている…

「よいしょ…」

勇者は敗北した…

「…おにぃ…ありがと…」
雫の微笑み…

勇者は敗北した…


「おはようございます。
龍様、雫」

『おはよう』

いつも通りの朝…

平和な一日の幕開け…



だがこれは…波乱の一日の幕開けだった…

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