《MUMEI》
*。*何で?*。*
あの時………


龍也があのコトバを言った時…

―「愛梨沙には負けないから!俺、花火は得意だからな!」―


何かが頭をよぎった。


何だったんだろう…………。








「本当にびっくりしたんだから!愛梨沙がイキナリ倒れた時!!」

次の朝、夏子は起きると私にそう言った。


「本当にごめんね…!!」


「生きてるからいいけどさ(笑)あの後、誰がホテルまで運んだと思う?」


「えっ…………?」


そういえば私が起きた時、このホテルの部屋にいたなぁ…。


「分からない…」


「龍也くんだよ!!誰よりも早く愛梨沙を抱き上げたんだから!何かを察知したかのように!!」


―龍也が………?????


私を……………????


「格好良かったんだから〜♪愛梨沙に見せたかった☆」


龍也が……………。



―「愛梨沙には負けないから!俺、花火は得意だからな!」―













「愛梨沙チャ〜〜ン!!!!!!!!もう平気なのかよ!?!?!?」


私と夏子がロビーまで行くと智希は私に慌てた感じで私に問いかけた。


「うっうん!!皆…本当にごめんね…心配させちゃって…」


「まぁ無事で何よりだよ…」


和哉は安堵の表情で、そう言った。


「一応、愛梨沙の母さんに電話しといたからな…」


龍也………………。


「心配してたぞ。お前の母さん」

お母さんにまで心配かけちゃったよ…。


ごめんなさい…。


お母さん………。




「今日はホテルでゆっくりしようね!!」


「そうだなっ☆」


「ホテルを探検してみるのもいいかもなッ」


「愛梨沙は探検好きだもんな〜」


皆………。



ありがとう…。



今は、皆の優しさに甘えるね。



……ちょっと待って……。



今…龍也…。


私が"探検好き"って言った…?



私が探検好きなんて言ったことないよね………?




じゃあ何で…………



知ってるの………?






そういえば、龍也は私と出会ってから色々言ってくる。



私と龍也は幼なじみだとか…


こっちに来たばっかりの時なんて"またよろしくね"って、私に言った。


しかも…



"俺のこと覚えてないの??"


なんてことも聞いてきた…。






龍也………。





一体、何なの……?

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫