《MUMEI》 美樹の推測「これは私の推測なんだけどさ…」 美樹は、まるで探偵でも気取るかの様な仕草で、顎に手を添えながら話し出した。 「井上君は、私達と肝試しをする前に、一度あのアパートへ行ってるんじゃないかな?」 「何で?」 すかさず司が聞き返す。 先程の美樹の勝ち誇った様な表情が、どうやら気に食わなかったらしく、また声に苛立ちが見え隠れし始めている。 「ん〜…他の誰かと肝試ししてたとか…?」 「誰かって?」 「そんなのわかんないよ!実際見たわけじゃないんだし…。 ただ、もし本当に行っていたとしていたら、全部つじつまが合うと思うの。」 「つじつま?」 「そう。井上君が亡くなる前に言っていた、妙な言葉の意味。」 司、洋平、優香の三人はあの時の事を思い返してみる。 「井上君、あの女の人の霊見るの初めてじゃなかったんじゃないかな…?」 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |