《MUMEI》
+。。変な人。。+
「また明日ね〜!!」


6時頃―


私たちはカラオケボックスを出て別れを告げた。


「ねぇ舞ちゃん…」


帰り道……


私はまだ気分がよさそうな舞ちゃんを呼ぶ。


「梓ちゃんどうしたぁ〜??」


「隼人くんのこと………いい加減、諦めた方がいいかなぁ?」

舞ちゃんは私の気持ちを知っている。


隼人くんのことでは色々と相談にのってもらってるんだ。


美優ちゃんには相談しにくいしね…。


「別に好きでいいと思うよ」


「えっ?」


「だってさぁ〜諦めるなんて無理でしょ?梓ちゃんは本気で隼人くんのことが好きなんだからさぁ。私は無理矢理、忘れて新しい恋をしろ!!なんて言わないよ…?

梓ちゃんは梓ちゃんの歩幅でゆっくりしててもいいと思うよ!」


舞ちゃんは全てを言い終えると笑顔で私の方を見た。


「舞ちゃん……」


「隼人くんのこと、好きな人は多いぞ〜!!頑張れ♪」


「………ありがとう!!」


「ど〜いたしまして☆んじゃ私は向こうなので!!バイバイ」


そう言って舞ちゃんは手を振りながら走っていった。


夕陽と舞ちゃんが重なった時、私は歩き始めた。













次の日の朝―


「梓ちゃん!おはよっ☆」


下駄箱で朝から可愛らしい笑顔を見せてくれたのは、咲菜ちゃんだった。


「咲菜ちゃんおはよっ☆一緒に教室行こ!!」


「ぅん♪」


私と咲菜ちゃんは階段を一段ずつあがりながら、他愛もない話をしていた。


ようやく、4階まで来た……


その時……


―ドンッ


「いったぁ〜」


私は誰かとぶつかった。


「ごめん。でも僕は悪くない」


頭の上から、そんな声が聞こえた。


僕は悪くないだと〜!?


ぶつかったのどっち!?(自分)


「……ごめんなさい…」


私が小さく呟くと彼は返事もせずに去っていった。


変な人…………。


「海斗くんだ……」


「えっ!?咲菜ちゃん知ってるのぉ〜!?」


「ぅん…7組の人…。有名だよ?警察の偉い人の息子だよ」


えっ……………


えぇぇぇぇぇ!?!?


警察の息子!?


しかも隼人くんと同じクラス!!

警察の息子にしては礼儀が成ってないなぁ〜。



彼の……


桜木 海斗(サクラギ カイト)の第一印象は最悪だった。


でも、彼が私たちの大切な友達になるなんて………


咲菜ちゃんと深い関わりがあるなんて…………


この時はまだ知らない……。








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