《MUMEI》 始まりのお話『どうしても駄目なの?』 俺は幼かった… 無理だとわかりきった事を何度も何度も聞いた… 『ごめんね…駄目なの…』 しかし、茜は何度も何度も答えてくれた… 『…そっか仕方ないよね…家の都合じゃ…』 ようやく俺は折れた… 俺は…俺が必死で止めれば…茜だけでも残ってくれるかもしれない… そんな期待を抱いていたのかもしれない… 『でも、約束して』 『やくそく?』 『いつか…必ず戻って来て…僕の…お嫁さんになって』 茜は驚いていた… それはそうだろう… いきなりこんな事言われたら… 『うん…わかったよ…私…空のお嫁さんになる。』 『本当!?』 『うん、本当だよ』 『じゃあさ…合言葉を作ろうよ』 『合言葉?』 茜が何故か尋ねてくる 『だって茜が帰って来るのは何年も先なんでしょう?だったら二人共変わっていると思うよ…だから…』 『…うん、わかった…じゃあ合言葉何にする?』 『…え〜っと…』 それはまだ考えて無かった… 『じゃあ“あれ”にしようよ』 俺は茜の指す方を見た… 『わぁ〜』 『あれなら私と空には ピッタリでしょ?』 『うん、“あれ”にしよう茜…帰って来たら“あれ”が見れる時間になったら、“ここ”に来てね…』 『うん、わかった…じゃあ私そろそろ行かないと…』 『あ…うんじゃあしばらくお別れだね』 『空…私の事…忘れないでね…』 『絶対忘れないよ』 『ありがと…じゃあまたね、空!』 そして… 茜は俺の元からいなくなった… 次へ |
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