《MUMEI》
洋平の記憶
「そう言えば…何かそんな感じだったね。」


優香は天井に向けていた視線を、ゆっくり元に戻す。
司も同様に視線を元に戻していた。
しかし洋平だけは、未だに難しい表情をしたままだ。

「洋平?」


司の問い掛けにも反応せず、黙り込んだままの洋平だったが、何か閃いたのか突然大声を上げた。


「あぁっ!!」

「うわっ!!?」


静かな部屋に突然大声が響いたものだから、三人は大袈裟な程に驚いた。


「な、何だよっ!?いきなり大声だすなよ!!」

「ど、どうしたの!?」


皆、洋平の奇怪な様子に動揺を隠しきれず、しかしその様子から何か自分達とは違う事を思い出したのではないかと、期待を膨らませた。


何故なら、あの時、女の姿を見て今生きているのは洋平だけなのだから。


「思い出いだしたんだよ!あの時、井上の奴…あの女の霊と会話してたんだ。」

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