《MUMEI》
「でも…、それで別れなきゃなんねーのは違うんじゃね?
つか裕斗の話聞いてるとお前その人に、めっちゃベタ惚れじゃん、
変な言い方だけどさー、別れちまったら心もそうだけど躰だって耐えらんねーと違う?」
「躰って…そんな…、それは…」
裕斗は恥ずかしそうにコーヒーを含む。
「俺だって…、そうだからさ…、ぶっちゃけ俺も男に抱かれたから…、なんか…分かる…」
俺もコーヒーを飲みながら裕斗を見る、すると裕斗は案の定驚いた表情で俺を見ている。
「つか俺、隆志とそーゆう関係」
「た、た…かし?え?…
マジで?……そう…なんだ…そっか…」
ちょっと試す意味も込めてカムアウト。
まあ少なくとも隆志は裕斗と付き合ってる訳じゃなかったのが分かったのもあるけどさ。
「付き合ってたんだー、なんだー…そっかー…」
つかなんだか裕斗嬉しそうだし。
笑顔みたらめっちゃほっとしてしまった俺がいる…。
「それがさー、残念な事に付き合ってねーんだよ、俺は隆志にとって性欲処理されただけの便所扱いだから、
はー…だから裕斗の話聞いてたらめっちゃ羨ましす、俺もラブラブでセックスしてーなぁ」
俺は一気にコーヒーを仕上げ、おかわりを求めて席を立った。
注いで戻ってくると裕斗は煙草を吹かしだしていた。
「一口くれー」
裕斗は笑いながら俺に渡してきた。
やっぱうまいー!
とりあえずは早く高校生終わりたい!
「ね、隆志には加藤の気持ち話してあるの?」
裕斗は真面目な面持ちできりだしてきた。
「いや…だってさ…、他に惚れてる男がいるって言われたら…、言えねーじゃん」
裕斗は黙ってしまった。
もしかして…と思い、俺は続けた。
「隆志は裕斗に惚れてんだとさ、俺は身代わりにされただけ!
知ってた?隆志の気持ち」
前へ
|次へ
作品目次へ
ケータイ小説検索へ
新規作家登録へ
便利サイト検索へ
携帯小説の
(C)無銘文庫