《MUMEI》
謎の少年
バッタンと扉が閉まる音


を聞いてからバッグを肩

にかけて道路に出ると見

慣れない少年が家にもた

れかかっていた。

「やっと出てきた、」

フワリと夜風が吹いた。

乱れた髪を直しながら少

年を見た。

キャラメル色のくしゃく

しゃの髪。

艶やかな赤い目は真っ黒

なコートのおかげで目立

っていた。

背中には身の丈ほどある

長く太い大きな包みを背

負っている。

「じゃあ、僕の後ついて来

て」

少年は麻美が来たのを確

認するとスタスタ歩き始

めた。

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