貴方の中の小悪魔
を知る神秘の占い

《MUMEI》
いろいろ。
10:00p.m.

リビングへ行くと、アキはソファに座りながらテレビを見て居た。


「…どうした?疲れてんだから、もう寝な〜」

「まだ10時じゃ眠れないよ」


わたしは苦笑いしながら、アキの隣りに座る。



「ねぇ、アキ」

「ん?」

「間違ってないよね?」

「何が?」


「わたしがここに居ること」



アキが短く息を吐き、リモコンに手をかけテレビを消す。


「…それはさ、あたしには分かんないよ。あんたが選んだことであって、あたしは一つ選択肢を与えただけだもん」

「あ、そっか…。そうだよね。あはは…」


わたしは今日一日起こった出来事の責任を、アキに押しつけそうになってたことに気付いた。



「あんたはどうなの?」

「え?」

「あんたは間違ってると思ってるの?」


「…分からない」


「でしょ?振り返りたいんなら、最低半年は待つんだね。まぁ、家に戻るなら今だろうけど」

「帰らないっ!!」


アキが目を丸くしてわたしを見てた。

それ以上にわたし自身がビックリしたんだけど。



「…じゃあ、前だけ見とけばいいじゃん」




今思い返せば、アキのこの言葉はとてつもなく重かったんだね。

でもあの時は、この言葉にかなり励まされたんだよ。

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